あなたが今、ここに生きているということは、多くの自然の恵みと多くの人々のおかげです。
 私たちは偶然に生まれ、必然的に死を迎えます。その間、私たちは生きていることに感謝し、有意義に過ごす努力をし、生きている時間を楽しみ、そして悔いなく終焉を迎えるといった「生」への観念を会得しようとしています。その極みが、生命の存続に関わるもの(物、者)への感謝と、それに報いようとする意識の目覚めであり、その表現が精一杯生き、天寿を全うすることです。これが、動物とは異なる人間の尊厳です。そのためには、日ごろからの鍛錬が大切です。長寿こそ人生の最大事と心して、心養生にいそしみましょう。

死因と家系による疾病の傾向
 心養生と等しく大切なのが、体養生です。わが国の最近の死因をみてみますと、第1位はガン、第2位心臓血管障害、第3位脳血管障害、第4位肺炎、第5位不慮の事故、第6位自殺、第7位老衰、となっています。近代医学の進歩はめざましく、死因を明らかにできないケースはむしろ稀です。第7位の老衰には疑問を抱かざるをえません。器質的な障害や原因を見いだせない機能異常による病気があったのかもしれません。いずれにせよ普通に、元気に過ごしておられたなかで、周囲やご家族が理解して受けとめられた最期であったのではないかと思われます。健康長寿の望ましい最後の姿とは、こういった死ではないでしょうか。
 私たちの一生は偶然に生まれる命の誕生に端を発しています。しかし、この偶然の起こりをたどれば、長年にわたって互いに組み合わさってきた祖先の遺伝子にたどり着きます。みなさんもご存知の通り、遺伝子の中にはさまざまな身体情報が隠されています。もし、その家族、親戚の方々のこれらの情報をあらかじめ入手することができれば、健康管理の上でとても望ましいシステムを構築することができるでしょう。
 例えば、父方の兄弟に高血圧や脳卒中の人が多いとか、母方の兄弟に糖尿病や高脂血症が多いといった話を聞き、疾病の種類や発症した年齢などの情報を整理し、自らの健康管理に役立てることです。
 長寿を妨げる病気の多くには家族的要因や生活習慣が深く関わっています。日ごろから、あなたの周囲の人々を見つめながら、生活習慣の改善に気をつけ、健康の維持・増進につとめることが肝心です。

生活の中で心掛けること
 特に、死因の第1位に挙げられるガンについては、早期発見のため、家族や親戚から得られた遺伝子情報の危険度に応じて定期的に精度の高い検査を受けることが大切です。また、第2位、3位の心臓や脳の血管障害に対しては、動脈硬化の加速要因に関わる体質的な情報をもとに、日常生活における悪習慣を極力排除することが予防につながります。なかでも、タバコとアルコールといった嗜好品、食生活の嗜好食品に対する過剰な欲求などに注意が必要でしょう。
 一方、ある年齢から私たちが避けて通れない老化による免疫機能の低下、骨や筋の衰え、ホルモンの不均衡、さらには五官の機能低下も目立ってきます。老化による身体的問題を考慮して、ある年代からは何事にも十分に警戒心を喚起し、感染や事故も含めて用心を怠らないことが重要です。
 
 私たちは生きていく上で、ときにカネやモノに振り回されている現実もありますが、それはあくまでも人の一生という自然の流れを過ごす上での道具に過ぎません。生き、生かされていることの意味を知り、感謝と奉仕の精神を有する人には、おのずと素晴らしい人生と自らが求めようとしなくても授かる、豊かな生涯がもたらされます。人間として生まれ、人間としての尊厳を忘れず、一生を心静かに豊かに過ごし、感謝をもって現世を全うすることに、あなたも精進しませんか。
戻る
Copyright (C) 2003 Medical Juridical Person KOUJINKAI.. All Rights Reserve


koujinkai-ism
H.Pylory感染の診断と
治療のガイドライン
2003年改正版


煙草をやめて長生きを

大腸がん検診を受けましょう

たくさんのガンを患って
長生きを


健康長寿こそ人生の最大事

消化管(胃・大腸)のがん

風しんの予防接種を
受けましょう

戻る