医療法人社団
公 仁 会




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社会保障・医療制度
医療制度の崩壊
高騰する医療費
国民医療
koujinkai-ism


良い医師とは

 中国は唐の時代の因話録に、「医は意なり、思慮精なれば則ち得、我が意、解する所は口の能く宣ぶる無し」 と語った許胤宗の言葉が残されている。 医は書に残したり、言い表すことができなくても、 結果として素晴らしい医療を施すことができる逸話としてよく引合いに出される。 医は、医学と医術と医心 ( いごころ ) の三要素と、これを動かす全人的な心から成り立ち、それ らの統合性と均衡性がもっとも強く求められる職分である (上図 ) 。あらゆる意味で、結果が全てといわれる所以はここにある。医学や医術は、その時代によってレベルに違いを生じるものの、その時代を生きる医師においては当然の知識や技術であり、同時代の人々に仁を尽くす立場からすれば、時代間における医師の姿勢や処世に変わりはない。 同様に、医心も時代の変遷に左右されるものではなく、家庭や学校、職場といった階層分化の環境 のなかで培われ身につくものである。それは持て成しに似て、天性のものとして備わっている者も少なくない。相手に対する気配りや心配り、ある いは目配りといった人の世では欠かすことのできないこれらの所作や嗜みは、医学や医術より大切 な医師の適性評価基準といえなくもない。名医や良医、さらには国をも医す上医にならんとすれば、加えて全人的な心が求められる。 雑宝蔵経という経文に無財の七施という施しが説かれている。眼施 ( 慈悲の目 ) 、和顔施 ( 周囲を和ませる顔 ) 、言辞施 ( 慈愛に満ちた言葉 ) 、身施 ( 慈愛のこもった応対 ) 、心施 ( 同憂共患 ) 、牀座施 ( 譲合いの心 ) 、房舎施 ( 同居者や家族の思いをも った待遇 ) の七つである。何の目的もなく、何時でも何処でもこの施しが自然に溢れ出る人こそ、知、情、意の調和がとれた全人であり、いつの世にも通じる医師たる心の持ち主である。医は仁術。 人への慈しみを最大の歓ぴとし、年と共に心の昇華を得、医学や医術の探求を怠らず、職分に没入 し、生涯を穏やかに終えることを平素から心して、老いも死も甘受できる、そういう人こそ、ときを越え、人が存する限り求められる医師の姿である。
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